木材の規格サイズとは?規格サイズの種類、JAS規格、海外との比較について解説

木材の規格サイズとは、建築やDIYなどで扱いやすいように統一された寸法のことです。

日本国内ではJAS規格をはじめとする公的基準や、よく流通している一般的な寸法が存在します。これらの規格サイズを把握しておくことで、用途に合った材料を効率良く選定できます。

一般的に、建築用途で使われる木材は「角材」「板材」「ツーバイ材」などに分類され、断面寸法や長さに応じて複数のサイズが流通しています。実際の寸法と呼び名が異なるケースもあるため、購入時には実寸法を確認して選ぶと失敗を防げます。

木材規格サイズの種類

木材の規格サイズは、主に寸法や用途によって分類されます。

ここでは代表的なものをいくつか挙げます。

  1. ツーバイ材(2×4材など)
    アメリカ由来の呼称です。2×4は「二インチ×四インチ」からきており、在来工法と異なる枠組壁工法に用いられることが多いです。実際の仕上がり寸法はインチ表記よりも若干小さくなります。
  2. 角材
    105×105、120×120など、柱材として使われることが多い角断面の木材です。和風建築では通し柱や大黒柱に用いられる規格もあります。
  3. 板材
    幅が広く、厚みが薄い木材です。床板や羽目板など仕上げ材として使われるほか、DIYでも棚板や天板などに活躍します。
  4. その他の規格材
    45×45や30×40といった小断面の資材など、間柱や下地材として使用される材料があります。用途に応じて複数のサイズが流通しているため、必要な強度や仕上がり寸法を考慮して選ぶことが大切です。

JAS規格について

JAS規格(日本農林規格)は、木材の品質や寸法を規定した公的な基準です。構造用製材や造作用製材など、目的に応じて細かい区分と等級が決められています。

主な特徴は以下のとおりです。

  • 強度区分
    曲げ強度や含水率など、機械的特性による等級が設定されています。
  • 寸法許容差
    幅・厚み・長さに対して、それぞれ誤差範囲が定められています。
  • 表示義務
    JASマークや区分表示によって、製品品質がわかりやすく示されます。

JAS規格に合致した製品は、品質面で一定の信頼を置けます。特に構造材を選ぶ場合、JAS規格品の活用は建物の安全性に寄与します。

海外規格サイズとの比較

日本国内でも、輸入木材として米国規格品(ツーバイフォーなど)が多く流通しています。インチ表記をミリ表記に置き換える際、呼称と実寸にギャップが生じる点は知っておくと便利です。

たとえば「2×4(38×89)」や「2×6(38×140)」など、 標準サイズと実用サイズ が異なります。

一方で、日本在来工法向けに使われる木材は、柱であれば105×105や120×120、梁であれば105×210など「105ミリ」を基準にした寸法が多いです。

これは「3.5寸」を基準にした尺貫法の名残ともいわれ、今でも広く普及しています。

サイズ選定時のポイント

  1. 実寸を確認する
    仕上げ寸法と呼び名が食い違うケースは珍しくありません。表記だけに頼らず、実寸法を念入りにチェックすると失敗を防げます。
  2. 用途に応じた断面の大きさ
    柱や梁など構造部材であれば強度を確保できる太さが必要です。逆に下地材や間仕切りなどには軽くて扱いやすい小断面材が向いています。
  3. 流通量の多いサイズを優先
    規格サイズの中でも流通量の多い標準品は価格が安定しやすく、入手もしやすいメリットがあります。特殊サイズを選ぶときは納期とコストに注意が必要です。
  4. 加工のしやすさ
    DIYなど自分で加工する場合は、扱いにくい大断面を選ぶと作業効率が落ちます。工具のスペックや安全面も加味し、無理のない寸法を選んだほうがスムーズです。

木材規格サイズの比較表

ここでは、よく見られる木材の規格サイズを一覧にまとめました。呼称と実寸法には差があるので、用途に合わせて確認してください。

規格名 断面寸法(mm) 用途例
2×4 約38×89 枠組壁工法、DIYの下地材
2×6 約38×140 大型の枠組壁工法部材、棚板
105角 105×105 在来工法の柱材
120角 120×120 大黒柱、化粧柱
45×45 45×45 間柱、下地材
30×40 30×40 建具回り、軽量下地

用途別に見る選び方

  1. 構造用(柱・梁など)
    強度が重視されるため、角材であれば105角以上、またはツーバイ6など、しっかりとした断面寸法を選びます。JAS規格品を選ぶと安心です。
  2. 仕上げ用(床板・壁板など)
    板材の幅や厚みが均一で、表面がきれいなものを選びます。造作用合板や羽目板も視野に入れると、仕上げのバリエーションが広がります。
  3. DIY(棚・家具など)
    扱いやすいツーバイ材や既製の板材が適しています。2×4や2×6は強度と加工性が両立しやすく、ホームセンターでも豊富に取り揃えています。
  4. 下地材(間柱・胴縁など)
    小断面の45×45や30×40が多用されます。曲がりや反りの少ない良材を選ぶと、壁や天井がきれいに仕上がります。

加工や保管時の注意点

木材は吸湿性があり、乾燥度合いによって反りや割れが生じやすい素材です。

加工前に乾燥状態を確認し、まっすぐな方向を見極めて切断すると狂いを最小限に抑えられます。また、長期間保管する際は直射日光を避け、湿度の高い場所で放置しないように気を付ける必要があります。

濡れたままの状態が続くと腐朽菌が繁殖し、耐久性に影響が出る可能性があります。

Q&A

Q: ツーバイ材の呼び名と実寸が違うのはなぜですか?
A: 元々インチ規格だったものを製材・乾燥すると、実際の寸法が小さくなるためです。2×4と呼んでも仕上がりは38×89mm程度になります。

Q: 建築でよく使われる105角柱はなぜ105mmなのですか?
A: 昔からの尺貫法(3.5寸)を基準にしていて、在来工法では105×105mmが標準的な柱材として普及しています。

Q: 同じ規格サイズでも値段に差があるのはなぜですか?
A: 木材の樹種、乾燥方法、等級、産地などの違いによって、コストが異なります。高品質で節の少ない材ほど高価になる傾向があります。

Q: DIY初心者におすすめの木材は?
A: ホームセンターで扱いやすいサイズにカット済みのツーバイ材が取り扱われることが多いです。まっすぐで節が少ないものを選ぶと作業しやすくなります。

Q: JAS規格の材を選ぶメリットは?
A: 強度や寸法精度が一定の基準を満たしているため、構造的に信頼できる点や品質面で安心感がある点が大きなメリットです。

まとめ

木材の規格サイズは、呼び名と実寸が異なるケースが多いので、必要なサイズを正確に把握してから購入するのがおすすめです。

JAS規格などの基準を知っておけば、木材の品質や強度面でも安心して使えます。

また、DIYやリフォームなどで木材を扱う場合は、加工性や保管方法も念頭に置くと失敗や不良を避けやすくなります。