建方(たてかた) とは、「現場で構造部材を組み立てる作業」のことです。
木造や鉄骨造(鋼構造)の建物では、構造部材を工場で製作した後、現場で職人が組み立てます。この現場作業を「建方」と呼びます。
建方に関連する用語として以下があります:
- 建入れ:構造部材(柱など)の垂直度(まっすぐさ)のこと。
- 建込み:構造部材を所定の位置に立て起こし、組み立てる作業。
- 建て入れ直し:柱や部材の倒れや角度を調整し、垂直や水平を修正すること。
建方作業では精度が非常に重要で、精度が悪いと建物が傾いたり強度に問題が生じます。適切に「建て入れ直し」を行うことで、構造が正確に組み立てられるようにします。
鉄骨造の建方の流れ
鉄骨造の建方では、以下の手順が基本です:
- 土工事:地盤を整備します。
- 基礎工事・地業:建物の基礎を施工します。
- アンカーボルトの設置:柱の位置を正確に固定するためのアンカーボルトを埋め込みます。
- 建方作業:ボルトで部材を仮止めした後、全体が整った段階で本締めします。
建て入れ直しと建方の関係
建方では、一度で全ての構造部材を正確な位置に収めるのは難しいため、都度「建て入れ直し」を行います。
建て入れ直しを怠ると、全ての部材を組み立てた後に大幅な修正が必要になり、作業が困難になる場合があります。そのため、建方の進行に合わせて適宜調整するのがポイントです。
雨や風の日の建方作業
建方は天候の影響を大きく受けます。
特に風速10m/s以上の場合は作業を中止する規則があります。
また、雨の日には滑りや視界不良などのリスクが高まるため、安全管理が必要です。
まとめ
- 建方とは、現場で構造部材を組み立てる作業。
- 「建入れ」「建込み」「建て入れ直し」といった用語も理解しておくと便利。
- 鉄骨造では、アンカーボルトの精度が建方の成功に直結する。
- 雨や風の日は安全第一で作業を行う。