本記事では、柱脚の終局曲げモーメントについて説明していきます。
柱脚の剛性について知りたい方はこちらから。
終局曲げモーメントの式
終局曲げモーメントの式は以下のようになります。
1. \( Nu \geq N > Nu – Tu \) のとき:
\[ Mu = N \cdot dt \cdot \left( \frac{Nu}{N} – 1 \right) \]
2. \( Nu – Tu \geq N > -Tu \) のとき:
\[ Mu = Tu \cdot dt + \frac{(N + Tu) \cdot D}{2} \left( 1 – \frac{N + Tu}{Nu} \right) \]
3. \( -Tu \geq N > -2Tu \) のとき:
\[ Mu = (N + 2Tu) \cdot dt \]
記号の説明
- \( Nu \): 基礎コンクリートの終局圧縮耐力 (N)
\[ Nu = 0.85 \cdot b \cdot D \cdot Fc \] - \( N \): 軸力 (圧縮が正、引張が負)
- \( Tu \): 引張側アンカーボルトの終局引張耐力 (N)
\[ Tu = nt \cdot Ab \cdot F \] - \( b \): ベースプレートの幅 (mm)
- \( D \): ベースプレートの長さ (mm)
- \( Fc \): コンクリートの設計基準強度 (N/mm²)
- \( nt \): 引張側アンカーボルトの本数
- \( Ab \): アンカーボルトの軸断面積 (mm²)
- \( F \): アンカーボルトのF値 (N/mm²)
- \( dt \): 柱断面図心より引張側アンカーボルト群図心までの距離 (mm)
この場合分けの式は、柱や基礎の終局曲げ耐力を計算するための基本的な設計式です。それぞれの条件に基づいて、終局曲げモーメントの計算方法が異なります。
-Tu ≧ N > -2Tu のとき
図の応力状態を想定した式です。
この場合は、柱の軸力が引張側アンカーボルトの耐力の2倍以下である場合です。このとき、MuMu は次の式で計算されます。
Nu ≧ N > Nu – Tu のとき
この場合は、基礎の終局圧縮耐力が柱の軸力を上回り、引張側アンカーボルトの耐力を引いた値を超えた場合です。
Nu – Tu ≧ N > -Tu のとき
この場合は、引張側アンカーボルトの耐力を引いた値が柱の軸力を上回り、またアンカーボルトの引張耐力以下である場合です。
まとめ
今回は応力状態ごとの式について簡単に扱いました。
モーメントの釣り合い計算から導出してみると理解しやすいかもしれません。一度やってみるのがおすすめです。